<Header>
<Author: 杜甫>
<Title: 別房太尉墓>
<Format: 格式不明>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 房太尉の墓に別る>
<BookPage: 361>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
他鄉復行役，
駐馬別孤墳。
近淚無乾土，
低空有斷雲。
對碁陪謝傅，
把劒覓徐君。
唯見林花落，
鸎啼送客聞。
<End Poem>
<Translation>
他郷（たきょう）の閬州（ろうしゅう）にあるわが身（み）は、今（いま）また同（おな）じ他郷（たきょう）の成都（せいと）への旅（たび）に出（で）ようとして、馬（うま）を房太尉の孤独（こどく）でさびしい墓（はか）にとどめて別（わか）れを告（つ）げようとする。墓（はか）に近（ちか）づいて流（なが）すなみだのために、墓（はか）のほとりに乾（かわ）いた土（つち）はなくなり、低（ひく）い空（そら）には、ちぎれ雲（くも）がただよっている。

思（おも）えば、わたしはかつて晋（しん）の謝太傳にも比（ひ）すべき、生前（せいぜん）の房太尉に陪席（ばいせき）して、碁（ご）のお相手（あいて）をしたことがある。今（いま）、その死後（しご）に墓（はか）をとむらい、春秋時代（しゅんじゅうじだい）の呉（くれ）の季札（きさつ）が、徐君（じょくん）の墓（はか）に剣（けん）を供（そろ）えて働哭（どうこく）して去（さ）ったのと同（おな）じく悲（かな）しみの情（なさけ）にたえない。ただ、ここには、林（はやし）に咲（さ）く花（はな）の落（お）ちるのが見（み）え、旅人（たびびと）であるわたしを送（おく）るかのように鳴（な）くうぐいすの声（こえ）が、聞（き）こえてくるばかりなのだ。
<End Translation>